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日语阅读:阿Q正传(三)

来源: 万语网 | 更新日期:2007-08-21 18:16:45 | 浏览(129)人次

  「女‥‥‥呉媽‥‥‥この若後家‥‥‥」と阿Qは考えていた。

  「若奥様は八月に子供を産みなさるだと‥‥‥」

  「女‥‥‥」と阿Qは考えていた。

  阿Qは煙管を置いて、立ち上がった。

  「若奥様は‥‥‥」呉媽は、ごたごた言いつづけていた。

  「おめえ、おらと寝ろ、おらと寝ろ」阿Qは、急に跳びかかって、呉媽の足元にひざまずいた。

  一瞬間、ひっそりとなった。

  「ヒャア」息を呑んでいた呉媽は、突然慄え出すと、大声をあげて表へ駈け出していった。

  駈けながらわめいて、しまいに泣き声になったらしかった。

  阿Qも、壁に向かってひざまずいたまま、茫然となっていた。それから、両手を、人のいなくなった床几につかえて、

  ゆっくり立ち上がった。まずかった、という感じがぼんやりしていた。さすがに落ち着かなかった。

  あわてて煙管を帯にはさむと、米つきにかかろうと思った。ポンと音がして、頭に何か太いものが落ちてきた。

  急いで振り返ってみると、例の秀才が、天秤竹を持って彼の前に立っていた。

  「太い野郎だ‥‥‥きさまあ‥‥‥」

  天秤竹はまたも真っ向から彼に向かって振りおろされた。阿Qは両手で頭を抱えた。

  ポンと音がして、ちょうど指にあたった。今度はほんとに痛かった。彼は台所の入り口から転がり出た。

  背中にまた一撃食らったような気がした。

  「恩知らず」秀才は、標準語を使って背後から罵声を浴びせた。

  阿Qは米つき場へ駈け込んで、一人突っ立っていた。指がまだ痛んだ。「恩知らず」という文句がまだ耳に残っていた。

  こんな文句は未荘の田舎者からは聞いたことがない。お役所勤めをしたお偉方に限って使う文句だから、

  特別凄みがあって、特別印象に残った。おかげで彼の「女‥‥‥」思想は消えてしまった。

  しかも、怒鳴られたり殴られたりした後では、事件がそれで解決したような気がして、かえってさばさばして、すぐ米つきにかかれた。

  しばらくついているうちに、暑くなってきたので、彼は手を休めて上衣を脱いだ。

  上衣を脱いでいると、表の方で騒がしい物音が聞こえた。阿Qは生まれつきの野次馬だ。

  そこで声のする方へ行ってみた。声のする方へたずねていくうちに、次第に趙旦那のいる内庭へ来てしまった。

  見ると、薄暗がりに、それでも大勢集まっているのが見えた。趙家のものが全部、二日飯を食わぬ奥様まで加えて、集まっていた。

  その他、隣の鄒七嫂もいれば、ほんとの同族の趙白眼や趙司晨もいた。

  ちょうど、若奥様が呉媽の手を引いて、話しかけながら女中部屋から出てくるところであった。

  「こっちへおいで‥‥‥決して、自分の部屋に隠れたりして‥‥‥」

  「おまえさんが正しいことは、みんな知ってるんだからね‥‥‥決して、量見を狭くもつんでないよ」鄒七嫂も、横から口を出した。

  呉媽は泣きつづけていた。泣きながら何か言うが、はっきり聞き取れなかった。

  阿Qは考えた。「ふん、面白くなってきたぞ。この若後家、いったい、何をおっぱじめようってんだ」それを尋ねてみたくなって、

  彼は趙司晨のそばへ近寄った。すると突然、趙旦那が彼の方へ駈けてくるのが見えた。しかも、その手に天秤竹が握られている。

  その天秤竹を見ると、彼は突然、さっき自分が殴られたことが現在の騒ぎと関係がありそうだと悟った。

  彼は身を翻して逃げ出した。米つき場へ逃げ帰ろうとしたが、あいにく天秤竹で行く手をふさがれた。

  そこでまた引き返して、自然と裏門から出てしまった。そして、まもなく地蔵堂の中にいた。

  しばらくじっとしていると、皮膚がぞくぞくしてきた。寒気がするのだ。春とはいえ、夜はまだ冷えた。

  裸でいられるものではない。上衣が趙家においてあることは知っていたが、取りにいきたくも秀才の天秤竹がこわかった。

  そうしているうちに、組頭が入ってきた。

  「阿Q、このやろう、趙の邸の女中にまで手を出しやがって、謀反てもんだぞ。おかげで俺まで夜寝られやしない。こん畜生‥‥‥」

  なんのかのとお説教である。阿Qは無論一言もない。最後に、夜中だというので、組頭への祝儀は倍にして四百文払わなければならなかった。

  阿Qは現ナマがなかったので、帽子を質に入れた。それから、次のような五ヶ条の取り決めを行った。

  一、明日、赤蝋燭‥‥‥目方一斤のもの‥‥‥一対と香一封を持って趙家へ謝罪に行くこと。

  二、趙家では導士を招いて首吊りの厄神のお払いをするが、その費用は阿Qが負担すること。

  三、阿Qは今後絶対に趙家の敷居をまたがぬこと。

  四、呉媽に今後万一のことがあれば、すべて阿Qの責任とすること。

  五、阿Qは賃金および上衣を請求せぬこと。

  むろん、阿Qは全部承諾した。残念ながら金がなかった。さいわい、もう春であるから、布団はなくても済む。

  それを二千文で入質して、条約を履行した。裸で叩頭して謝罪した後で、まだ何文か銭が残った。

  彼はその銭で帽子を受け出さずに、全部酒にして飲んでしまった。一方、趙家では、香も蝋燭も焚かずに、

  大奥様が仏事に使う用意に、蓄えたおいた。ぼろ上衣は、大部分が、若奥様が八月に生む赤ん坊のおしめに変わった。

  残りのぼろ屑は、呉媽の布靴の底に変わった。

  第五章 生活問題

  謝罪式が終わると、阿Qはいつものように地蔵堂へ戻った。日が暮れるにつれて、どうも世間の様子が変なことに気がついた。

  よくよく考えた末、なるほどと思い当たったのは、自分が裸でいるせいらしい。まだボロ袷があったことを思い出して、

  それを引っかぶって、ごろっと横になった。再び目を開いたときには、もう日光がいつものように西の土塀の上へ射しかけていた。

  彼は起き上がりながら「こん畜生‥‥‥」とつぶやいた。

  起きあがると、彼はいつものように街をぶらついてみた。裸のときのように身を切る寒さはなかったが、

  やはりどうも世間の様子が変なことに気がついた。この日から、未荘の女たちが急に羞かしがるように見えた。

  女たちは、阿Qの姿を見ると、こそこそ門の中へ隠れてしまう。はなはだしきは、五十に手の届こうという鄒七嫂までが、

  人といっしょになって逃げ惑い、しかも十一になる女の子まで呼び入れる始末である。阿Qは不思議でならなかった。

  そして、こう思った。「こいつらは、急にお嬢さんの真似をはじめやがった。このあばずれ女たちは‥‥‥」

  しかし彼が、もっともっと世間の様子が変なことに気がついたのは、だいぶ日がたってからであった。

  第一は、居酒屋が掛売りしなくなったこと。第二は、地蔵堂の管理の老いぼれが、彼に出て行けがしの妙な因縁をつけ始めたこと。

  第三は、何日になるか彼は記憶しないが、ともかく相当の日数、一人として彼を雇いにこなくなったことである。

  居酒屋が掛売りしないのは、我慢すれば済む。老いぼれが追い出しにかかったって、ぐずぐず言わせておくだけのことだ。

  ただ誰も雇いにこないのは、阿Qの腹をすかせることになる。これだけはまったく「こん畜生」に違いない事件である。

  阿Qはこらえきれなくなって、仕方なしにお得意先を聞いて廻った‥‥‥趙家の敷居だけは跨ぐことが許されていなかったが

  ‥‥‥ところが、事情が一変していた。必ず男が出てきて、うるさいという顔で、乞食でも追い払うように、手を振って言うのであった‥‥‥

  「ない、ない。出て行け」

  阿Qはますます変だと気がついた。これらの家では、今まで、いつだって仕事のないことはなかった。

  今のように急に仕事がなくなるわけはない。何か裏に仔細があるに違いない、と彼は考えた。

  注意して探ってみると、どの家でも、仕事があると小Donを雇っていることが分かった。

  この小Dというチンピラ野郎は、貧弱な痩せっこけで、阿Qの目から見ると、ひげの王より一段下に位している。

  意外にも、そのチンピラ野郎に飯茶碗をふんだくられたのである。したがって、今度の腹の立ちようは、いつもと違っていた。

  ぷんぷんして道を歩いていて、急に片手を振り上げて芝居の文句を歌ったりした。

  「鉄の鞭をば振り上げて‥‥‥」

  数日後、ついに銭の邸の目隠し壁の前で、彼は小Dにぶつかった。「仇同士は目がさとい」阿Qが詰め寄ると、

  小Dの方でも立ち止まった。

  「畜生!」阿Qは、睨みつけながら言った。口から唾が飛んだ。

  「おいら、虫けらだよ。いいだろ‥‥‥」と小Dは言った。

  その謙遜は、かえって阿Qの怒りに油を注いだ。彼はしかし鉄の鞭を持っていなかったので、

  殴りつけるより仕方なかった。ぐっと手を伸ばして、小Dの辮髪を引っつかんだ。

  小Dは、片手で辮髪の根元を押さえながら、片手でこれも阿Qの辮髪を引っつかんだ。

  阿Qもまた、空いている方の手で辮髪の根元を押さえた。昔の阿Qならば、小Dなどは物の数ではないはずだ。

  しかし、このごろでは彼は腹が減って、小Dに劣らぬくらい貧弱に痩せている。そこで勢力伯仲の状態になった。

  四本の手が二個の頭を抱えて、どちらも腰を曲げて、銭家の白壁の上に青い蛇を画いた。そうして、半時間の長きに及んだ。

  「もういい、もういい」と見物人が言った。仲裁するつもりだろう。

  「いいぞ、いいぞ」と見物人が言った。仲裁するのか、ほめるのか、おだてるのか、わからなかった。

  しかし、二人とも聞き入れなかった。阿Qが三歩進むと、小Dは三歩退き、双方立ち止まった。

  小Dが三歩進むと、阿Qは三歩退き、また双方立ち止まった。およそ半時間‥‥‥未荘には時計がないから、

  正確なことはわからない。二十分だったかもしれない‥‥‥二人の頭から湯気が立ち上り、額からは汗が流れた。

  阿Qの手はゆるんだ。ちょうど同じ瞬間に、小Dの手もゆるんだ。同時に起き直り、同時に後ろへ引き、人垣をかき分けた。

  「覚えてろ、こん畜生‥‥‥」阿Qが振り向いて言った。

  「こん畜生、覚えてろ‥‥‥」小Dも振り向いて言った。

  この「竜虎の戦い」の一場は、勝負なしに終わったらしい。見物人が満足したかどうかもわからない。

  誰もそれについて議論などしなかった。だが阿Qは、依然として日雇いの口がかからなかった。

  ある日のことである。もうすっかり暖かくて、微風も夏の気配だったが、阿Qだけは寒気がしてならなかった。

  しかし、これはまだいい。第一に困るのは、腹の空くことである。布団と帽子と単衣(ひとえ)とは、とっくになくなっている。

  次は綿入れを売った。今はズボンが残っているが、これだけは脱ぐわけにいかない。ボロ袷もあるが、布靴の底にくれてやる以外に、

  売ったとて金になる代物ではない。往来に金でも落ちていないかととうから気を配っていたが、まだ一度も見つからない。

  自分のあばら家のどこかに金が落ちていないかと思って、きょろきょろ見回すのだが、屋内はがらんどうで一目瞭然である。

  かくて彼は、食を求めるために外に出ようと決心した。

  彼は道を歩きながら「食を求める」つもりであった。なじみの居酒屋が眼にはいる。なじみの饅頭屋が眼にはいる。

  しかし、彼はどちらも通り過ぎてしまう。立ち止まりもしないし、求めようという気も起こらぬ。

  彼の求めるものは、そんなものではない。彼の求めるものは何であるか。彼は自分にもわからない。

  未荘はもとより大きい村ではない。少し歩くと、出はずれてしまう。村を出はずれると水田で、

  見渡すかぎり新稲の若緑である。その間に点々として、丸い形の、動いている黒いものは、田を耕す農夫だ。

  阿Qは、この田園風景を鑑賞もせずに歩きつづけた。それは彼の「食を求める」道とははるかに遠いことを彼は直感していたからである。

  ついに彼は「静修庵」の堀の外まで来てしまった。

  庵の周囲も水田であった。新緑のあいだに白壁が突出ていて、裏手の低い土塀の内側は野菜畑である。阿Qは、しばらくためらっていた。

  あたりを見まわしたが、誰もいない。そこで彼は、この低い塀によじ登って、何首烏(かしゅう)の蔓につかまった。

  しかし、泥はなおもぼろぼろ崩れ、阿Qの足はぶるぶる慄(ふる)えた。ようやく桑の枝に伝って内側へ飛び降りた。

  内側は実に青々とした茂みであった。だが、黄酒や、饅頭や、その他食えそうなものは何もないらしかった。

  西側の塀に沿って竹薮があり、筍が群がり生えているが、惜しいことに煮付けてない。油菜もあるが、もう種になっている。

  芥子菜は花が咲きかけており、春白菜はとうが立っている。

  阿Qは、ちょうど文童が落第したときのように、あてがはずれて、がっかりした。彼は畑の門の方へゆっくり歩いていった。

  と、たちまち驚喜の声を発した。そこには歴然と、大根畑があるではないか。彼はうずくまって、大根を抜きはじめた。

  すると突然、門の内側からまん丸い頭が覗いて、すぐ引っ込んだ。明らかに若い尼である。若い尼など、阿Qの目には塵か芥のようなものだ。

  とはいえ、世事は「一歩引いて考う」べきである。されば、彼は急いで大根を四本引き抜き、葉をむしり取って、上衣の上へ隠した。

  だが、年をとった尼はすでに現れていた。

  「南無阿弥陀仏……阿Q、なぜ畑へ忍び込んで大根を盗むのです……やれやれ、罪の深い……南無阿弥陀仏……」

  「いつ、おまえさんの畑へ忍び込んで大根を盗んだ」阿Qは、振り向き振り向き、逃げながら言った。

  「たった今……それは何だい?」年取った尼は、彼の懐(ふところ)を指さして言った。

  「これが、おまえさんのかい。じゃ、おまえさんが呼べば返事するかい。おまえさん……」

  言い終わらぬうちに、阿Qは駆け出していた。でかい黒犬が追ってきたのである。いつもは表門にいるのに、

  何だって裏庭の方へなど来たのだろう。黒犬は、うなりながら追いかけて、あやうく阿Qの足へ噛みつきそうになった。

  すると運良く、懐から大根が一本転がり落ちた。犬はびっくりして、ちょっと足を止めた。

  その隙に阿Qは桑の木へ上り、土塀を跨ぎ、大根もろとも塀の外へころがり落ちた。

  後にはまだ黒犬が桑の木に吠え、年取った尼は念仏を唱えていた。

  阿Qは、尼さんがまた黒犬をけしかけるのを恐れて、大根を拾って駆け出した。駈けながら小石を二つ三つ拾った。

  しかし黒犬はもう現れなかった。そこで阿Qは石ころを棄てて、道を歩きながら大根を齧(かじ)った。

  齧りながら考えた。ここには求めるものは何もない、やはり城内へ行こう……

  三本の大根を食い終わったとき、彼はもう城内へ行く決心をしていた。

  第六章 中興から末路まで

  未荘に再び阿Qの姿が現れたのは、その年の仲秋の直後であった。

  阿Qが帰ってきたと聞いて、人々はびっくりして、今さらのように、彼がどこへ行っていたかを噂しあった。

  阿Qは、これまでも何回となく城内へ行ったが、大抵の場合は、あらかじめ得々として人に触れて廻った。

  ところが、今回に限ってそうでなかった。で、誰も気に留めていなかったのである。

  彼としても、地蔵堂管理の老人だけには打ち明けたかもしれないが、未荘の慣例として、趙旦那か、

  銭旦那か、秀才の旦那が城内へ行く場合でなければ、ほとんど問題にされない。

  にせ毛唐でも大して問題にされぬくらいだから、まして阿Qなど物の数でない。

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