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日语阅读:山口百恵

来源: 万语网 | 更新日期:2007-08-21 18:17:02 | 浏览(146)人次

  ひとがそれぞれ生きてきた時代と共にアイドルがいた。そしてアイドルは時代によって作られ、時代とともに消えていく運命(うんめい)にある。1960年代のアイドルの代表はなんといっても吉永小百合(よしながさゆり)であろう。彼女はだれもが認める「清純派(せいじゅんは)」のシンボルとして映画全盛の時代から生まれた。

  1970年代に入ってテレビが成熟期を迎え、番組(ばんぐみ)を通じてアイドルが発掘される時代になった。その番組の最たるものは日本テレビの「スター誕生!」であった。山口百恵(やまぐちももえ)は13歳でこの番組の第五回決戦大会に準優勝(じゅんゆうしょう)して世に出てきた。同じような経緯(けいい)を経た桜田淳子(さくらだじゅんこ)と森昌子(もりまさこ)に彼女が加わり「花の中三トリオ」として芸能界(げいのうかい)に登場(とうじょう)したが、この三人のなかで山口百恵はどちらかというとあまり目立たない地味(じみ)な存在であった。その少女は、晴れやかなステージでひとりだけ、少しはにかんだような顔つきをしてポツンと立っていた。まわりにいるアイドルの卵たちが精一杯(せいいっぱい)笑顔(えがお)をみせてはしゃいでいるなかでたいそう控えめに見えた。透き通るような顔の素肌(すはだ)と大人びた黒くて深い眼が特に印象(いんしょう)に残った。

  その山口百恵が独自(どくじ)の世界を切り開いていくことになるのが1974年6月の「ひと夏の経験」(千家和也作詞.都倉俊一作曲)でした。ライバルの桜田淳子や森昌子が年齢相応(そうおう)の可愛い歌を歌っていたのに対して山口百恵は、それまでタブーとされていた幼い「少女の性」を連想(れんそう)させる路線(ろせん)を生々しく大胆(だいたん)に、そして素直(すなお)に歌いあげた。他の可愛いだけのアイドルたちとはひと味もふた味も違って、ちょうどこの頃、ブームのきざはしをみせ始めた「女性の自立」という風潮(ふうちょう)と相まって、一躍(いちやく)彼女の存在は女性の時代を代表するものになっていくのである。

  そして更に1975年初頭の映画「伊豆の踊子(いずのおどりこ)」では少し肌も見せて「大人の魅力(みりょく)」という路線を確立(かくりつ)します。また一方ではテレビの「赤い」シリーズで彼女は主婦層(しゅふぞう)に着実(ちゃくじつ)にその名を浸透(しんとう)させていきました。

  しかしその後の展開(てんかい)がなかったら、彼女は一人の「多少歌も歌える個性派女優」ということで終わっていたでしょう。

  1976 年6月、山口百恵は初めて阿木燿子(あきようこ)。宇崎竜童(うざきりゅうどう)のコンビから提供(ていきょう)を受けた「横須賀ストーリー」を歌います。この歌は、それまで「歌が下手だから女優中心で活動している」と見られがちだった百恵に、独特の歌唱力(かしょうりょく)があることを強く印象(いんしょう)づけた作品(さくひん)でした。

  そして1977年、さだまさしの「秋桜(コスモス)」でまた別方面のファンを開拓(かいたく)。百恵はこの曲で初めて、レコード大賞の歌唱賞(かしょうしょう)を取りました。1978年は最大のヒット曲ともいえる「プレイバックPart.2」を出します。この曲によって山口百恵は歌手(かしゅ)のスーパースターの地位(ちい)を獲得(かくとく)しました。

  三浦友和(みうらともかず)とのコンビはその後も「絶唱(ぜっしょう)」、「風立ちぬ」、「春琴抄(しゅんきんしょう)」と続き、女優としてもトップスターの坐へ登り詰めた。

  そして1979年10月、大阪厚生年金(こうせいねんきん)ホールのリサイタルで突然(とつぜん)、三浦友和との「恋人宣言(こいびとせんげん)」をして人気絶頂(にんきぜっちょう)のまま、結婚、引退(いんたい)へと向かうのである。

  「女性の自立」のシンボルであった山口百恵は「栄光の職業」よりも「妻として、母としての幸せ」を躊躇(ちゅうちょ)なく選んだ。

  彼女の活動はわずか8年間ですが、その中身はひじょうに濃いものであったといえるでしょう。山口百恵という名前は、昭和(しょうわ)の戦後(せんご)ということに限っていえば、それを完璧(かんぺき)に越える存在(そんざい)というのは、美空ひばり以外にあり得ないのではないか、とも思えます。

  大きなレコードセールスを記録(きろく)した歌手は他にも多数いましたが、これほどファン層の広かった人というのは、今後もそうそう出ないのではないでしょうか。それほど、子供からお年寄りまで、そして男女の別なく、彼女は愛されました。

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